2010年02月03日
クリエイティブ業界の天気図② 《業界ごとの実況》

先日のブログでお伝えした
静岡のクリエイティブ業界の天気図。
今回からは各業界ごとの状況を
数回にわけて実況いたします。
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まず最初にお伝えするのは、
今もっとも厳しいとお伝えした印刷業界。
太田の分析する天気予報では
印刷 >

・・・という、いかにも
『夢も何も無いじゃん

と思われるような内容でした。
そして、その現状は・・・
(今、印刷業界にいる方からすると何を当たり前のことを!と言われそうな内容ですが、
このブログを見る方はこの業界に入ることを夢見る方からベテランさんまで
様々なので敢えて書きますね。)
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・昨年のリーマンショック以降の景気の大幅な下落により、製造メーカーを
中心にコストの徹底的な削減が続き、当然ながら広報宣伝に使用する
ツール以外にも印刷物全般の需要の落ち込みが激しい状況が続いている。
・この状況は多少景気が復活したとしても当面は続くと予想される。
なぜなら、広報宣伝に関する経費は一番最初にカットされ、一番最後に
復活するからである。(当たり前ですが・・・)
・特に世界を相手に経済活動をする大メーカーが名を連ねる県西部地区では
上記の状況が顕著であるため、それらをクライアントに抱える印刷系の
企業の苦境は当面続くとみられる。
・印刷物の価格自体も大幅に下落しており『印刷機を回せるなら、利益が
出なくてもやむを得ず。利益は度外視してでもとにかく受注を!』という
会社が出てくる異常な状況に突入しており、今後は企業ごとの体力差が
そのまま事業の継続にダイレクトに影響してきそう。(昨年あたりから
地域では名の知れた印刷会社の倒産情報も多く聞かれるようになっています。)
・これまで比較的堅調な事業展開をしてきたと見られる官公庁からの受注を
主体とする印刷系企業も、入札ごとに価格が下落する状況に利益の確保が
難しい状況が続いており、上記と同様、体力の無い企業については、事業の
縮小や撤退、場合により企業活動そのものが困難な状況に至る企業も多く
出現してくると思われる。
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こんなところでしょうか?
いやはや、印刷会社に勤めている方や、これから勤めようとしている方に
とってはどうしたら良いのかもわからない状況ですね。
・・・では、そんな状況の中で生き残ると思われる印刷系の企業
=就職活動をする上で狙うべき先はというと?
・広告宣伝企画~デザイン~印刷までワンストップで提供する能力を持つ
印刷会社。
(理由)上記の通り、利益率が異常に低下している現在の状況下では、
広告・宣伝・プロモーションの企画段階から受注しないと利益が
確保出来ない状況です。
よって、より上流の工程から仕事を確保できる会社が安定的に
利益を得ることが出来ることになります。
もちろん、県内の大手の印刷会社の殆どは上記の機能を全て
持ち合わせています。
・紙媒体以外のメディアの制作能力を持つ会社。
(理由)いまや印刷会社でもWEB制作に注力している会社が珍しくない
状況です。それは印刷物の製造で確保できる利益が下がっている
ことだけでなく、紙媒体とWEBとの連動が受注時のポイントになって
いることが大きな理由でしょう。(例えば、自動車や機械のマニュアル
が、冊子と同じものがWEBでダウンロード出来るもしくはWEBだけで
手にすることが出来るなど。)
・制作業務の徹底した効率化を実践できる技術を持っている会社。
(理由)マニュアルメーカーに顕著ですが、いかに人の手をかける部分を
減らして、早く正確に制作データを組み上げるか?そしてミス無く
印刷物を製造するか?これはこれから印刷物の制作に関係する
企業の至上命題です。
その為の技術(自動組版の技術など)を今現在も保有し、また今後
発展させていける企業が生き残っていくことでしょう。
成熟しきった業界ゆえ日進月歩のWEB業界に比べて進化が鈍いと
思われがちな印刷業界ではありますがところがどっこい。まだまだ
技術革新は続くことでしょう。
(当社のお客様はここで書いた要素は殆ど満たされています。流石です。)
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・・・というわけで、まだまだ書きたいことは沢山ありますが、以上が太田が
今思う・感じる静岡の印刷業界の現状です。
この業界への転職をする上での参考になれば幸いです。
※じゃあ、どんなスキルを持てば良いの?という声もでそうですが、それは
このシリーズが書き終わったら書きます。(裏返せば今回書いた要素を
実現出来るスキルを持てば生き残れるということではありますが・・・)
今回も長々と失礼致しました!
Posted by 株式会社ジャスティス at 10:53
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